同窓会

第31代校長 駒瀬校長挨拶

長野県伊那弥生ヶ丘高等学校 第31代校長 駒瀬 隆

koutyou01

平成29年度の人事異動に伴いまして、長野県教育委員会事務局 高校教育課より参りました駒瀬 隆です。よろしくお願いいたします。

伊那弥生ケ丘高等学校は、明治44年(1911年)に長野県町立伊那実科高等女学校として創立されて以来、今年度で106年の歴史を刻み、地域はもとより国内外に有為な人材を多数輩出して参りました。
校長室には伝統を感じさせる記念誌や、同窓生の方々の功績を記した文献や資料、写真等があり、業務の合間をみながら手に取っておりますが、まさしく伊那地域の女子高等教育の拠点として、本校が果たしてきた役割の大きさをひしひしと感じる次第です。

そんな中、伊那弥生ケ丘高等学校創立80周年の記念事業として刊行された記念誌『八十年の歩み』を開いてみますと、大正2年(1913年)の第1回卒業式の集合写真が掲載されており、そこには教師と思われる男性が6名と町立伊那実科高等女学校第1期生31名が写っていました。女子生徒の凛とした姿、高い志を感じさせる表情などから、これからの女子教育の先駆者として新たな時代を切り拓いていこうとする強い決意が伝わって参りました。そして、その姿や表情は、106年の時を隔てた今年度入学式の折に、ステージ上からみた新入生241名の姿、表情と重なるものがありました。

現在(平成29年度)は、男女合わせて729名の生徒が、日々の学習活動、生徒会活動、クラブ活動等に意欲的に一生懸命取り組んでおります。その生徒たちの活動を支えている精神的支柱が、ご存知のとおり、本校の校是の一つである『自主自律』だと思っております。先ほどの記念誌『八十年の歩み』には、その『自主自律』の出発点ともいえるものも記されておりました。それは、町立伊那実科高等女学校設置と同時に創立された校友会の会則(会則は翌明治45年に制定)の一文で、以下のように記されています。

 

「校友会は全校生徒を以て組織す。会員相互に切磋琢磨するを以て目的とす。人格修養の根本は自力にあり。教科書の修養や教師の感化は大と雖も畢意他力的修養に近し。第二義の修養なり。真の修養は人格相互の接触にあり。この人格相互の接触間に於ける自力的の考察反省にあり。この故に校友会を設けて相互の修養を計らんとす。(以下略)」

 

106年の時を隔てた現在の生徒たちが、様々な活動において、主体的に考え、自主的に行動し、目覚ましい活躍をしている様子を目の当たりにし、上述しました第1回卒業写真と同様、本校創立期の先輩方の熱い思いが連綿と継承されていることを確信いたしました。

今後とも、この後輩たちの活躍を温かい眼差しを以て見守り続けていいただければ幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。